MIM-Like AM (Sinterbased AM)のひとつ、溶融積層MEX方式でFPFの方がFFFより精度が高いと推測できるデータをみつけた。それは、チタン専門MIMメーカーのelement22が公開している2種類のMEX用フィードストックによる焼結体(材質:Ti6Al4V)のデータシートである。詳細を下記に転記する。先に結論を述べると、引張強度、降伏強度は同じだが、FPFの方が伸びが大きい。特筆すべきは伸び尺(Scale Factor)が、フィラメントを使うFFFではXY方向とZ方向で異なるが、ペレットを使うFPFの伸び尺はXYZ方向で区別がない。
種類 引張強度 降伏強度MPa 伸び 伸び尺
FFF 1005MPa 920MPa 14% XY:120.3%,Z:118.3%
FPF 1005MPa 920MPa 17% 115.8%
【珈琲ブレイ句】FFFの伸び尺がXYとZ方向で異なるのは、BASF製フィラメントも同じですが、何故かBASFでは伸び尺(収縮率)はZ方向の方が大きいのです? 技術的に考えれるとBASFのデータの方は納得できるので、もしかするとelement22さんの記載ミスの可能性があります。それより、ここで注目したいのはFPFの伸び尺が115.8%(収縮率13.6%)であることです。凄いことです。これは高精度MIMのフィードストックに肉薄する収縮率です。だから、伸び尺はXYZ方向で同じ*1ということも理解できます。一方FFFではフィラメントとして柔軟性を持たせることが必要なので泣く泣くバインダー量を多くしていると推測できます。
*バインダー量最小化によりスランプ変形が最小化していると推察できる。