ガスアトマイズ粉(GA粉)と水アトマイズ粉末(WA粉)のAlloy718粉末を使用し、標準バインダーAと変更バインダーBとする強度特性の結果は以下の通り。WAは標準バインダーのみ。
《耐力》鍛造≒GA+A>GA+B (WAデータ無し)
《伸び》GA-B>鍛造=GA+A (WAデータ無し)
《疲労強度》GA+A>GA+B>鍛造>WA
参考文献: 尾崎ら、”粉末冶金に基づく素形材製造技術の開発”、IHI技法 Vol.59 No.1(2019) P91
【珈琲ブレイ句】MIM製Inco718において、粉末にガスアトマイズ粉末を使えば鍛造材に匹敵する材料特性を確保できることが報告されています。残念ながらバインダーの詳細が不明ですが、ポイントは残留炭素の影響を受けるということです。なぜなら炭素が残留すると母材強度(耐力)に寄与するNbが炭化物(NbC)に消費されるためです。つまり、脱バインダー性の高いバインダー設計と一次脱脂工法の選択が鍵ということです。