2024年7月5日金曜日

プリプラ方式の射出成形機が改善された

 【珈琲ブレイ句】昔のはなし。小物のMIM成形体を高品質で成形するためにプリプラ方式(Sodick Vライン)の射出成形を導入したことがあります。Sodickは放電加工機等を造っている世界的メーカーなので射出成形機も常識に囚われないユニークな機械を創るものだと惚れ込んで導入しました。

《大問題発生》導入して数週間後に大問題が発生しました。プランジャ(ピストン)がロックしてビクとも動かなくなってしまったのです。原因は、バレル内径とプランジャ外径との隙間△に金属粉末が嚙みこんだためでした。対策は、不本意ながらプランジャ外径を少し小さく追加研磨し隙間△を大きくしてもらいました。MIMの場合は隙間△は、プラスチック仕様より大きくする必要があるのです。

《改善されていた》近年、「m:MIM」なるMIM専用機が登場しました。追加仕様として、プランジャ後部に温度制御が付けられています。これは、射出抵抗を減少させ材料排出量を減らすものです。凄いのは、この追加仕様部分だけを既存のVラインに後付けもできるところです。Sodickは日々研鑽しており流石一流日本企業です。 注意:欠点(利点?)もあります。射出成形するたびに成形材料が隙間△を通りプランジャ後部から漏れる「うんち漏れ」があります。少量なので私は気になりませんでした、それより古い材料が新しい材料に混入しないという利点を優先しました

補足:通常のインライン射出成形機でも全く問題なくMIM成形することが可能で、ほとんどのMIMメーカーはインラインが主流です。さらに、バリを気にしなければ単純な油圧式射出成形機でもMIM成形は可能です。マシンタイムはメチャクチャ伸びますが、むしろ凝固中に保圧をかけ続ける結果となるので良質な成形体を作ることができます。

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