2024年7月16日火曜日

MIMの工程能力指数はCpk、AMはCpを使う理由

 【珈琲ブレイ句】工程能力指数は、規格の幅に対する製品のバラツキ分布の大きさ(精度、精密さ)と平均値の偏り(真度、正確さ)を評価する指標です。工程能力指数が1.33を超えると工程は安定していると判断されます。計算式はQC3級のテキストで復習していただくとして、表題について説明します。

MIMの工程能力指数にCpkを使う理由:MIMは金型転写だから。金型の寸法が初めから偏っていたら、製造部門で調整・制御することはできません。金型の精度に依存するのです(方案設計含む)。つまり金型が命なのです。製造部門で管理する寸法品質は、収縮率とスランプ変形ぐらいです。寸法を成形条件で調整すると充填不良(ウエルド、ヒケ等)やオーバーパッキング(抜け不良、バリ等)が発生しますので、現場任せにせず金型を修正しましょう。ちなみにCpkのkはカタヨリのKで日本語です。

AMはCpを使う理由:AMはバラツキ分布の平均値と規格中心とのカタヨリを簡単に補正すことができるのでCpが使えるのです。NC制御の加工機械と考え方は同じです。また、バラツキはAMの積層条件で改善できる可能性があり、当然平均値も動きますので、CpとCpkを評価値としてパラメータ設計(タグチメソッド)等で最適化することをお薦めします。ただし技術開発(パラメータ設計)は規格を意識しないのでβ^2/σ^2等のSN比で感度とバラツキの最適設計を行います。

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