特許第7552125号(出願2020/7/31)、発明の名称:成形用組成物および三次元造形物の製造方法、特許権者:セイコーエプソン
課題:粘度を低くしても造形物の良好な形状精度を得ることができる成形組成物を提供する
解決手段:粉末とワックスと接着剤と成形成分と可塑剤を含み、接着成分は190℃でMFR200g/10min以上であり、可塑剤の密度が1.0g/cc以下である組成物
実施例1
【珈琲ブレイ句】バインダー成分の一部に「接着成分」という言葉を使っているのがユニークです。まさに「接着剤:BONDFAST(R)」を混ぜています。高分子化学者の発想で金属粉末との化学結合を利用するものです。そのボンドはMFRが高いものが有効で流動性重視の設計になっています。また、可塑剤多めなのでフィラメントとして折れを防止している可能性があります(ただしFFFに使う旨の記載はありません)。凄いところは金属粉末量を多量の65vol%にしているところです(FFFではなくFPF,BMD用かも?)。これで低速射出で積層造形できるのは立派です。この粉末量(バインダー量35VOL%)であれば、収縮率は1.2を切って1.15~1.17程度の高精度が期待できます。ただし、明細書には、脱脂・焼結に関する技術情報が見当たらないので実効性は不明です。