高粉末充填率(バインダー最少化)にすれば、MIM品質(転写性、密度、強度)は向上します。しかし、大きな課題があります。それは「成形が難しくなる」ことです。バインダー量が少なくなればフロー値Qは小さくなり成形欠陥が多くなることがわかっています。図8
この論文からの学びは2つ。成形不良を低減させるには、高粉末充填率(バインダー最少化)になるほど、①金型温度を上げ、②保圧を高くすること。
文献:「金属粉末射出成形(MIM)における成形欠陥におよぼす成形条件,バ インダ添加量,バインダおよび粉末特性の影響」三浦 立、遠 藤 保夫、斑 目 広和、高 森 清次、「粉体および粉末冶金」第42巻 第3号 1995年3月
【珈琲ブレイ句】30年前、粉末充填量は45 vol%ほどが一般的でした。それが今や「72 vol%を実現できる」という段階にまで到達しており、まさにブレイクスルーと言える進化を遂げています。粉末の製造や配合技術はもちろんですが、それらを支えるバインダーの着実な進化も、この飛躍には欠かせない要素であったと感じています。残っている課題は、成形品質を向上させるパラメータ設計(転写性の技術開発)ではないでしょうか。