2017年12月26日火曜日

カルボニル粉とは

粉末にする製造方法のもうひとつの代表選手はカルボニル法です。「Carbonyl」発音は「カルボニル」「カーボニル」BASFが1925年に発明した製法で化学的に粉末を造るそうで、どうも機械工学出身者の私は完全に理解することができません。

Fe(CO)5の液体を蒸発させて粉にするので数μmの細かいものができMIMの粉としては最適です。ただしできる鋼種は「カルボニルFe」と「カルボニルNi」の2種のみ。水素還元の有無で炭素量の異なる物があります。

この2種類(Fe、Ni)で作ったMIM材料でFEN8(Fe+Ni8%)があります。近年ではFEN材は積極的に選定されないようです。理由はFEN材の機械的性質がSCMやSNCM材より劣るためです。別の言い方をすれば、昔はカルボニル粉しかなかったけど近年水アトマイズが高品質で安価になったためです。さらにカルボニル粉と各種の粉末を調合することで高強度の材料が出現しているからです(JMOLD系)。


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