2017年12月26日火曜日

MIMの製造技術はいくつあるのか

MIM製法の要は、「いかにして樹脂を焼結前に完全に除去するか」ということです。この技術的な違いは「脱脂技術」と「そのための樹脂選定と配合」になります。
脱脂の方法は3つ「溶媒脱脂」「加熱脱脂」「触媒脱脂」

代表的なMIM製法を上げておきます。
Parmatech法(米)溶媒脱脂 (国内1社)
Witech法(米)加熱脱脂 (国内最多)
BASF法(独)硝酸・触媒脱脂(欧州、中国に多い)
AMAX法(米)溶媒脱脂(国内1社)
VI法(米)真空・加熱脱脂(国内1社)

溶媒と加熱両方経験がありますが、個人的には溶媒脱脂が好きです。理由は2つ。
・大きなものができること ・残留炭素が少ないこと

《ブレイク》
昔には水に溶ける寒天バインダーという優れものがありました。今では採用しているメーカーはほとんどないようです。水は安全で使いやすい反面、廃液処理問題や成形体の錆がネックだったのかも知れません。

 追記(2019/3/6)Ti用の環境にやさしいバインダーシステムとして水溶性バインダーを提唱しているところがありました。ニュージーランドのオークランド大学の論文で、PEG(ポリエチレングリコール)とPMMA(ポリメチルメタクリレート)を基本にしており、PEGが水溶性です。PMMAはアクリルの事ですが、ワックスに近い性状で残留物もほとんどないと記載されています。Tiは水と反応しないので良いのかもしれません。


【日曜MIM知るINDEX】MIM指南書増補セルフ

【いつでもオンデマンド講習会】 【MIM技術伝道士HP】