2019年2月24日日曜日

MIMの材料には2種類+α

MIMの材料には2種類ある。

合金粉末を使う方法(初めから目的の材料成分になっている粉末)
混合粉末を使う方法(目的の成分になるように多種粉末を調合する)
さらに②+α の方法がありました。

それは「MA+CIP」法 つゆの素を水で薄める方法
MA=マスターアロイ(合金粉末)《つゆの素に相当》
CIP=カルボニル鉄粉《水に相当》

この製法のメリットは何か考えてみる・・・
・安くなるのか・・・ならない(水アトマイズの合金粉の方が安い)
・納期面で有利になるのか・・・ならない
・品質面で有利なのか・・・可能性あり
 たとえば CIP粉末は微細なので、MAとCIPの混合でタップ密度を高くできる
タップ密度が高ければ バインダ量を最小化でき 収縮率最小化で高精度化できる
 さらに 焼結温度を低温化できれば、炉内温度バラツキの影響を受けづらくなり
焼結密度の分散が最小化でき寸法精度向上、さらにオーバーヒートによる組織劣化が無くなり、機械的強度も高くできる可能性がある。

《補足》
品質工学の損失関数では、品質はコストの関数*1です。
したがって この「MA+CIP」は多少粉末コストが高くても、品質が高ければ、総コストは安くなることは十分考えられます。
 精密さが高ければ、損失コストは小さくなる
*1 損失関数とは 損失コスト=k(y-m)^2   
 m:目標値 y-m:目標値からのズレ k:定数