2019年10月22日火曜日

MIMと変成形加工

MIM単体で高精度化は必要である。しかし、限界がある。それ以上の要求精度には「工法の複合化」が必要である。
二次的複合加工としての「変成形加工」について考える。具体的には、「閉塞鍛造」「プレス加工」「サイジング、コイニング」「転造」などである。

いくつかMIM展開例を紹介する。

閉塞鍛造:正確に計量された材料を金型に入れ閉塞状態で鍛造する。MIMは、たいへん正確に計量された材料であるので、最終工程にて金型でサイジングすることは、究極の閉塞鍛造である。射出成形での金型転写(一次転写)だけで最終製品寸法を保証する「オープンループ制御」には限界がある。この方法は、二次転写でループをクローズドさせる方法である。

プレス加工:板金加工における板材の曲げ加工やシェービング加工。密度が100%ではないMIMは、スプリングバックが無視できるほど小さい。そのため平面プレスで平面度0.05が簡単に出せる。また、除去加工に分類されるかもしれないが、打ち抜きやシェービング加工もできる。

転造:MIMへの応用例としては、外径ネジ転造、切くずがでない溝無タップ加工、外径軸へのスパロール加工(スギノマシン)では、表面粗さが0.8Sになり精度もIT8~9級に管理できる(SUS316L)。