本当は「MIMには巣は発生しない」。でもお客様のイメージしている「巣」とは内部不良全体を指していることは明白である。
「巣」は鋳造の言葉で「Shrinkage」である。直訳すると「収縮」である。凝固収縮に相当する体積を補給(押し湯)できなくなった時に発生する。内部にできれば「内ひけ、ひけ巣」表面にできれば「外ひけ、ホットスポット、表面ひけ巣」形状が空洞であれば「Shrinkage cavity」と呼ばれたりする。現場ではガス欠陥、カミモノ欠陥も「巣」と呼ぶ。内部欠陥はとりあえず「巣」と呼ばれる。 さらに、健全度レベルで評価される「マイクロシュリンケージ」や「スポンジ状組織」も「巣」である。
MIMの内部欠陥を考えてみる。
・成形肉厚部に発生する成形収縮欠陥(内部に空洞ができる)
・低密度焼結不良(密度が規格に入らない)
・成形工程での空気の巻き込み(丸い空洞、空隙)
・ウエルドや流動すべり面が起因の空隙
・バインダー残りによるガス残存空隙
・還元ガスの残存(丸い空隙)
お客様は原因がなんであろうと「内部不良(巣)」が心配なのである。