2020年2月2日日曜日

AMからようこそMIMへの棲み分けについて

TCT JAPAN2020の展示会場には、AMだけではない興味深い出展も散見できた。それは「表面品位を向上させる二次加工設備」である。
①乾式電解研磨装置「Drylyte」振動バレルと電解研磨の複合
②「MMP:Micro Machining Process」装置の詳細不明であるが、シャープエッジを保ちながら表面を改質し、ヘアーライン仕上げから磨きまで可能。キャパΦ450×H250 でチャージ数十万円。

これらを使えば、AMの欠点「表面あらさを改善できる」。重工用タービンの試作には絶対活用される。AMと二人三脚で、これから花形になる技術だ。

このことを踏まえ、本テーマの「AMとMIMの棲み分け」を考える。

AM(MIM粉末使用金属積層技術)の採用ポイント
・小ロット(1個から)
・開発初期の設計仕様が曖昧な段階で、パラメータ変数ごとの試作品を一度に造り並行して実装評価できる。
・少量であれば量産品として使える。
・AMでしかできない部品が作れる(複雑、アンダーカット形状)
・表面あらさは、上記の様な表面改質技術で解決できる。
 ただし、コストが相当掛かる AM単品でMIMと同じコストでも、表面仕上げ費用を合算すれば数倍高くなる。

MIMの採用ポイント
 条件:金型の投資が回収できる生産量であれば
・MIMの方が表面あらさがよく安価で、機械的性質も安定。
・複雑でアンダーカット形状も、消失中子を使えば可能。
・材質が豊富。ニッケル基合金などの実績も多い。

【珈琲ブレイ句】
AMでしかできない形状は存在します、特殊航空機の燃料混合ノズルなどはまさにその例で、このような分野では、AMの独壇場になるはずです。それ以外では、生産量が多くなったら、MIMにバトンが渡されると思います。要するに両方必要なのです。「AMからようこそMIMへ」


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