HIPとは「Hot Isostatic Pressing:熱間等方圧加圧」で、高温不活性ガスで部品を加圧するもの。一方、CIPは「Cold Isostatic Pressing熱間等方圧加圧」は冷たい水(液体)で部品を加圧するものである。MIMの世界でどのように活用されているのかをまとめる。
『HIP』焼結体に対して行う。内部不良(ウエルド等)を消す。密度を上げる。微細組織のまま密度を100%に上げ、結果として機械的性質を向上させる。高密閉性が必要な部品や航空機部品などのハイスペック部品に利用されている。
『CIP』成形体(脱脂体+ラバーコート)に対して行う。内部不良(ウエルド等)を消し(密着させて)焼結で拡散結合させ一体化させる、内部不良対策に利用されている。
【珈琲ブレイ句】HIPは例えばチタン合金の強度向上策として、結晶が成長する前(ラメラ組織に成長する前)の低焼結温度でブランク品を完了させ、密度不足品をHIPで補うという合わせ技で最高品質を造り出す実施事例があります。HIPの処理温度(約900℃)は焼結温度(1100~1350℃)より低いので結晶を成長させずに密度をほぼ100%にすることができるのです。一方CIPのMIMへの展開実績は、たぶんほとんどないと思います。(私は実施していましたが・・)実はCIPはMIMではなくAMでの活用が増えるような気がしています。なぜかというと、AMの積層体の密度が甘いためです。なぜかというとFDM積層造形(成形)に「保圧」という概念が欠落しているためです。また、バインダージェット方式では粉末嵩密度を向上させる機構が弱い(タップ密度と比較して)ためです。