MIMのスプルーやランナーは、バージン材に一定量混合させてリターン材として使われている。配合量の考え方は拙著*1に記載しているのでそちらを参考にしていただき、ここでは、現行実施されている2つの方法と日本製の装置をつかったアイデアを紹介する。
ことば: 再生利用がリサイクル。再利用がリユース。
①リサイクル法:バージン材の混錬材として再生材を一定量配合しMIMフィードストックとして混錬から造り直す方法
②リユース法1:計量されたバージン材とスプルーやランナーを高速ミリング(粉砕機)により粉砕し粉末化(粉末+粒)して利用する方法
③リユース法2:スプルーとランナーを粒断機にかけて疑似ペレットを造り、バージンのペレットと疑似ペレットを混合機の個別のホッパーにいれ自動計量・混合させる方法
*1 金属粉末射出成形ガイドブック MIM指南書 P84 4.1.3
【珈琲ブレイ句】MIMフィードストックにペレットが登場したのは、たぶん2000年ころではないでしょうか。日本のMIMフィードストック専門のメーカーが登場してからだと思います。それ以降市販MIMフィードストックは、どのメーカーもペレットが主流になっています。そもそも、MIMメーカーの元祖や老舗は粉砕粉末を使っていました(今でも使っています)。大学の研究室でも粉砕粉末を使っているので焼結体の品質に影響はないはずです。ペレット化の理由を考えると、成形機スクリューへの安定供給の課題(ブリッジの発生、計量時間変動)、材料の自動搬送技術の課題、粉体流動性の課題などからの逃避でしょうか? 商品として粉末よりペレットの方がカッコイイ(商品価値が高い)からかもしれません?? 謎です。