2018年1月5日金曜日

MIMの公差はどのくらい

MIMの一般公差は、寸法の±0.5% 程度だと考えています。しかし、メーカーによっては寸法の±0.3%としているところもあります。また、最終工程でサイジングをして必要寸法だけをさらに高精度に管理することも行われています。各社カタログの精度の定義が違うのではないかと感じることがあります。それは、「ロット間の精度」と「ロット内の精度」の混在です。焼結1ロット内の精度が±0.3%であっても、次のロットで平均がズレて数ロット合わせると結果として±0.5%になりうるということです。

MIMの公差の構造は主要因で表すと次のようになります。
(MIMの公差:MIMの精度に基づいて決めた管理幅、狭義では精度のこと)

MIMの公差=①金型寸法のカタヨリ+②MIMフィードストックによるカタヨリとバラツキ+③成形重量バラツキ+④焼結炉内バラツキ+⑤焼結変形』

②MIMフィードストックの品質:金属粉末ロットのバラツキによる焼結密度変動、バインダー量の減少による収縮率低下

【ポイント・課題】

①金型の出来栄え 公差の10分の1が理想(実際は5分の1) 
②粉末メーカーの問題(これがMIMメーカーでコントロールできない)
 再生材リサイクル中の脂肪酸類蒸発、再生配合率、再生回数の管理
③成形重量の電子天秤による管理 (標準成形条件)
④焼結炉の性能に左右される
⑤製品設計問題(変形しないような設計・工夫が望まれる)
 焼結条件問題(変形防止セッター、伝熱3要素)