2018年1月8日月曜日

MIM材料選定のポイント

一般的な機能部品のおすすめ材料を紹介します 


【錆びない部品を作りたい】
おすすめ:SUS316L
理由:医療用にも使うオーステナイトステンレスの最高峰。MIM粉末コストはSUS304とほぼ同じなのでこちらを使おう。ただしメーカーによっては技術的にC<0.03%を実現できないところがある(SUS316LLLow Carbon 炭素が少ないことで錆に強い) 


【浸炭焼入れ焼もどしをして機構部品を作りたい】
おすすめ:SCM415SNCM415JMOLD
理由:昔はFEN材を使っていましたが、近年水アトマイズ製SCM415や調合粉末JMOLD2など機械的強度が良い材料が登場 

【全焼入れ焼もどしをして機構部品を作りたい】
おすすめ:SCM440SNCM439JMOLD3JMOLD4 (硬度HRC50~55
理由:昔はFEN材を使っていましたが、近年水アトマイズ製SCM440や調合粉末JMOLD4など機械的強度が良い材料が登場 


【錆びに強くて焼入れ焼きもどしをする機構部品を作りたい】追加2018/1/16
おすすめ:SUS420J2 
理由:防錆を重視しで、摺動・回転するところの摩耗が心配なときに使われます。医療用のはさみ等。 


【摺動部品を作りたい】
おすすめ:SUS440CSUS440C-SH(気孔5μm)、SKD11
理由:SUS440C=ベアリングによる転がり摩耗(フレイク摩耗)に強い SKD11=高温になるところ、フレッティング摩耗に強い 


【ばね性がある部品を作りたい】
おすすめ:SUS630
理由:H900処理すると完全にばねになります。欠点はサイジングが効かないので製品設計はMIM焼結変形を考慮すること 


【刃物を作りたい】
おすすめ:SKH51JHSS
理由:ハイス(高速度鋼)は今でも刃物用の部品にはベスト