2022年10月1日土曜日

工具鋼こそMIMの差別化材料だ!

 【珈琲ブレイ句】昔々、一万回転で動く機械が開発された。その摺動部品は普通の鋼では耐えられなかった。そこで耐摩耗材料探しが行われた。そして耐久試験で残った最後の材料がダイス鋼だった。量産準備として素形材を鍛造で試作した。しかし大失敗。鍛造金型が割れるためだ。仕方が無く削り出しで量産初期を乗り切り、次の量産材としてロストワックスを選んだ。しばらくすると潜在的問題が浮上する。それは、工具鋼を工具鋼(HSS,WC)で加工するので、すぐに高価なエンドミル等が摩耗してしまう。加工する量を減らすニーズが出てきた。最後にたどり着いた素形材がMIMである。(その後、自分がMIMの技術者に転身するとは面白いものである。)今、改めておもう。超耐久部品の材料に、高速度鋼(ハイス、粉末ハイス)、SKD(ダイス鋼)を選べば、ほぼ間違いない。ニアネットシャープのMIMがその素形材に適任だ。工具鋼こそMIMの差別化材料だ!

注意:開発設計者は、工具鋼を造れるMIMメーカーを探す必要があります。キーワードは、球状炭化物、炭素量(脱炭の有無)、カーボンコントロール技術、超固相液相焼結(SLPS)

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