MIM like AMのMEXである『Metal X』はフィラメントを使っている金属積層3Dプリンター(FFF)である。一番売れている材種のSUS630(17-4PH)のフィラメントが始めに改良された。改良された特性は、フィラメントの柔軟性である。SUS630積層焼結体の機械的性質はMIM相当で、引張強度:1050MPa、1250MPa(HT)、硬度:30HRC、36HRC(HT)である。
【珈琲ブレイ句】開発初期のMetalXは、山形県の研究機関に導入されていますが、初期のフィラメントが折れやすくフィラメントを加熱して柔軟性を出していたと聞いたことがあります。しかし、この課題を克服するフィラメントが研究開発され、ついに上市されたのです。文献で発表された写真から曲率半径を目測すると、15~20mm程度です。ものすごく柔軟性があるのです。Metal Xは溶媒脱脂*1 を使う方式なので、残渣の心配をする必要が無い(溶媒で溶ける)柔らかな接着剤系のポリマーが使えるということかな? 焼結中の残留炭素の管理ができて使いやすそうだ。
*1 溶媒:Opten SF-79 不燃性、高Kb値=103、低表面張力、低GWP