ロバストネス(頑健性)とは、不確かな状況でも最高のパフォーマンスを発揮できる能力のこと。たとえば、生物学では「今生き残っている生物は、強いものではない、環境変化に対応できたものだ」、情報工学では「想定外の誤入力やエラーに対応する安全な制御」、品質工学では「外乱(誤差因子)を考慮した制御因子の最適化、SN比の最大化、市場に出ても不良になりにくい製品設計」
【珈琲ブレイ句】技術コンサルタントでは、MIMの成形不良品の相談が一番多いのです。だいたい成形条件(制御因子)を調整すると品質が改善していきます。しかし、課題が残るのです。それは「最適条件の管理幅が狭くなることが多い」ということです。その原因は、金型方案設計(製品VE設計含む)がイマイチなのです。・・ガッカリばかりしていられないので、気を取り直し次に金型を作るときの参考にしてほしいと「頑健性が高くなる金型方案のロバスト設計」の話しを付け加えます。そのロバスト設計のポイントは4つです。①ランナー・スプルーは短く、モジュラス*1を大きくする。②ゲートを大きく、モジュラスを大きくする。③ガス逃げを適所に配置する。そして最後、④製品のモジュラスは小さくする。この4つが完璧ならば、成形条件(製造規格)の巾が広がり、誰が作業しても、多少の外乱・環境ばらつきがあっても、安定した良品を作り続けることができるのです。これができる素敵な金型設計者がひとり会社にいると現場は助かるのです。
*1モジュラス:体積 ÷ 冷却に寄与する表面積