概要:Mold Jet という新しいMIM Like AM技術
《造形手順》step1:型造形、ワックス積層(25~200μm)にて型を造形 Step2:成形、金属ペースト(セラミックペースト)を型キャビティに充填 Step3:乾燥、水溶性バインダーを乾燥させる Step4:硬化、グリーン体を硬化させる(真空) Step5:検査、光学検査を行い基準未達の場合は、その層を削り取り造形をやり直す
《後工程》ビルドプレート全体をオーブンでワックス(型に相当)を溶かす(120℃×2~5時間)。残ったグリーン体を溶媒脱脂溶媒再循環タンク内で溶媒脱脂(MAX3時間)する。オーブンで30分間乾燥させる。MIM脱脂焼結炉で焼結する。
《造形寸法》Dominant機:400*240*120mm、Dim機:220*120*90mm
《材種》ステンレス4種、工具鋼2種、低炭素鋼2種、超合金、Ti64、銅、セラミック2種
《コンパウンド設計》Powder load paste:60-63%、グリーン体強度:20MPa、最小厚さ:200-250μm、印刷精度:150-300μm
《焼結体品質》相対密度:95%以上、収縮率:11-15%、表面粗さ:1.5-3.5Ra
【珈琲ブレイ句】Tritone社のMoldJetで造られた焼結体の品質(相対密度、収縮率、表面粗さ)は、ほぼMIMですね。これはペースト状のフィードストックを使っているところに優位性があると思われます。一般的なMIMでは不可能な肉厚200-250μmが造形できる。ペーストは流動性が大変良いのでBJTより微細な粉末が使える、そのため焼結密度も高くでき精度も高い。MEXと比較するとフィードストック設計の自由度が相対的に高い、つまりフィラメントにする必要がないので粉末量を高く(60-63%)でき、しかも柔軟性を考慮した樹脂バインダー設計も不要になるのです。
ところで、乾燥工程の「真空」が気になります。具体的な情報がないのですが、もし積層工程も真空中であれば気泡が混入しないので積層体の品質は最強ですね。今後の調査テーマにします。