MIM用の射出成型機のポイントをいくつか箇条書きにしておく。
・耐摩耗仕様が望ましい。シリンダー(バレル)、スクリュー、スクリュー先端ユニット(逆止機構)は耐摩耗仕様がよい。チェックリングは特に摩耗が大きいので定期的に交換する。
・スクリューの圧縮比(体積)は、1.7~2.2を選ぶ。MIM材料は樹脂と異なり圧縮性が著しく低いので、せん断加熱と圧縮が大きくなりすぎないように小さめにする。
・成形機は成形するショットサイズから計算され次の関係であること。
ショットサイズ=バレル容量×(20~80%)
これを実現させる方法は2つ。ひとつは成形体と比較してより大きなランナーシステムにする。(再生材が多くなる)。もう一つは、バレル容量が小さい射出成形機を選ぶ。
【珈琲ブレイ句】福島ハイテクプラザと共同でマイクロMIMの研究を行ったことがあります。そのときに使ったのがMicrosystem50でした。基本構造はプリプラ方式で可塑化と射出は別々に構成されています。今では国産でもマイクロ射出成形機が登場しています。奇抜なプリプラ方式(プランジャ径Φ5mm、可塑化は螺旋円板)です。これを使えば再生材比率を大幅に下げることができるし、高精度に射出成形することができるでしょう。さらに竪型にすれば省スペースなので、私が現役ならバリ取り・外観検査と成形を直列につないで兼業作業をしていただくという暴挙?にでるかも。
参考:Handbook of metal injection molding、Second Edition, 6章、P105-126
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