2023年1月8日日曜日

MIM用射出成形シミュレーションについて

 10年ほど前にMIMで使える射出成形シミュレーションが存在していた。それは、SIGMASOFTの3D射出成形シミュレーションである。これは、従来の樹脂成形の射出成形シミュレーションで使うCross WLFモデルではなく、Herschel-Bulkleyで拡張させたSIGMASOFT独自のCross WLFモデルを採用している。このポイントは、せん断速度が低速2(1/s)以下で大きく粘度が高くなる二つのせん断粘度直線の傾きをモデルにしているところである。”Sigma Soft”

【珈琲ブレイ句】一般に射出成形ではせん断速度は高速であり、低速2(1/s)以下になることはありません。しかし、射出成形された金型キャビティの流れの中には低速になる部位があるのです。この部位で正確にシミュレーションすることがポイントなのです。逆に、ゲート領域ではせん断速度勾配が大きくなるので体積当たりの粒子濃度(粉末濃度)が増加します(シワが発生する)。すでに世界では実用化されているソフトですね。国内ではTS工業さんが別のソフト(MoldeX 3D)で2014年頃から実用化研究を始めているという発表があります。すばらしいです。これを使えば金型方案設計の確認を半日で完了させることができます。

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