複合HA/Ti6Al4Vにパウダースペースホルダーとして塩NaClを使った研究の結果を記録する(とても高いCSLの事例)。
《粉末》Ti6Al4V(19.6μm、4.43g/cm3)、Hydroxyapatite(5.3μm、3.13g/cm3)、NaCl(381.4μm、2.17g/cm3)
《粉末配合比》Ti6Al4V:HA=9:1 with 20%スペースホルダー(NaCl)
《バインダー》パームステアリン(融点54℃)60wt%、ポリエチレン(融点125℃)40wt%
《臨界粉末量》CSL(CPVP)=82vol%
資料:”Determination of Critical Powder Loading of Titanium-Hydroxyapatite with Powder Space Holder for Powder Injection Molding Feedstocks”、 Mohd Yusuf Zakaria、 Abu Bakar Sulong、 Mohd Ikram Ramli、Journal of Mechanical Engineering Vol. SI 3 (1), 11-21, 2017
【珈琲ブレイ句】この実験報告では臨界粉末量CSL82vol%を叩き出しています。信じられません。これは、配合比が三峰分布になっているためだと考えられます。粉末配合比 Ti6Al4V:HA:NaCl=72:8:20Vol%のときです。ただしグリーン体の顕微鏡写真を観るとスペースホルダーの塩が破砕している?ように見えるので混錬条件の管理が必要になるでしょう。
ところで、多孔質の複合チタン合金を造ることを目的としている研究ですが、スペースホルダーの塩(NaCl)をどのように除去(脱脂?)するのでしょうか? 考えられる方法は2つですね。ひとつはブラウン体の塩を融点801℃でウイッキング等により抜く方法。ふたつめはグリーン体の塩を水中で溶かす方法(シャチハタスタンプ方式)。