4因子3水準のL9直交実験論文があったので記録しておく。
材質:水アトSUS316L(D50:7.157μm)、粉末重量?% 、
バインダー:PEG:73wt%、PMMA:25wt%。SA:2wt%、
脱脂:不明?(たぶん水脱脂)、焼結:真空、9.5×10^-6 mbar
《特性値》焼結体密度
《因子と水準、結果(特性要因図、*最良)》
焼結温度:1340、1360*、1380℃ (真ん中上凸)
保持時間:60、120、240*分 (右肩上がり)
昇温速度:6*,8,10℃/分 (左肩上がり)
冷却速度:6,8*,10℃/分 (真ん中上凸)
《結果(寄与率)》すべての因子で有意となった。実験の範囲内での最適値は、焼結温度1360℃(32%)、保持時間240分(11%)、昇温速度6℃/分(41%)、冷却速度8℃/分(11%)
《確認実験結果》密度98.52g/cm^3
文献:"SINTERING PARAMETER OPTIMISATION OF THE SS316L METAL INJECTION MOLDING (MIM) COMPACTS FOR FINAL DENSITY USING TAGUCHI METHOD"、K. R. Jamaludin, N. Muhamad, M. N. Ab. Rahman, S. Y. M. Amin, S. Ahmad, M.H.I. Ibrahim、Malaysia
【珈琲ブレイ句】L9直交配列実験です。田口メソッドと記載がありますが数理統計学の実験計画法でした。F検定と寄与率の計算まで行っています。学びは、一番寄与率の高い昇温速度が一番小さな水準の6℃/分が焼結密度を向上させる効果が大きいこと、次に焼結温度は、中間の水準である1360℃が焼結密度が高くなっていることです。焼結温度は高すぎても焼結密度を向上させることができないようです。3水準実験の要因効果が上凸の場合、中間水準近傍は「最適値」とみなすことができるのです。
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