2024年5月12日日曜日

AM用粉末とMIM用粉末の粒径について

付加製造AMが取り扱う材質は、樹脂、セラミック、金属である。このブログはMIMなので、金属AMとMIMに使う粉末についてまとめておく。

MIM用粉末は球形で微細なほど高密度・高強度に有利で、一般的に平均10μm程度のものが使われている。マイクロMIMでは3μm程度のものが使われている。高タップ密度も重要。

一方、金属AMは大きく2分野に分かれる。それはMIM-Like AM(Sinterbased Matal AM)とDEDである。前者はMIM用粉末の使用を目指している。後者は数倍大きな粉末(50~80μm程度)を使用している。粉末は流動性を重視するため球形を理想とし粉末の流動性を悪化させる微細粉末を取り除いているものもある。


 【珈琲ブレイク】MIMと同様にMIM-Like AMは微細粉末が有利です。しかし(それ故に)MIM-Like AMの粉末床を使うものは粉末の流動性の課題から微細粉末の使用に限界があると感じています。その問題を解決できるアイデアのひとつが「ペーストにする」です。ペースト状材料を光硬化させるものや、ペースト状フィードストックをMEXで利用する画期的な新工法も登場してきました。さらに通常のMEX装置であればMIMと全く同じ微細粉末を使った市販フィードストック(フィラメント、ペレット、スティック)を使うことも可能です。

『やっぱりMIM屋はペースト積層方式かMEX方式がいいんじゃないかと個人的に思っています。3D積層体(グリーン体)だけ造ったら、後工程の脱脂・焼結は超ベテランなので周回遅れでもすぐにMetalAMのトップ集団に追い付くと思うのです・・。すでに国内のMIMメーカー2社が始めていますね。絶賛応援中!!』

話をもどして・・一方、なぜDEDでは大きな粉末が使われるのでしょうか? その理由を3つ考えてみました。①大きな粉末にすれば粉末床の流動性問題を解消できる。②粉末を溶かすエネルギー(レーザー、電子ビーム)のスポット径が数十~数百μmと大きいので粉末が微細である必要がない。③粉末製造(アトマイズ)では、大きい粉末の方が収率が高いので相対的に安価。

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