Desktop Metal社のBMD Studio System(MEX3Dプリンター)で積層したTi-6Al-4Vの機械的特性が、MIMだけでなくロストワックスにも肩を並べているので記録する。
試料名:引張強度Mpa、伸び%、相対密度%、酸素%
Desktop Metal BMD製:845MPa、17%、97.5%、酸素量不明
MIM製(細Al-4V調合粉末):930MPa、15.8%、97.5%、0.34%
MIM製(粗Al-4V調合粉末):880Mpa、14.5%、96.7%、0.26%
MIM製(合金粉末):850MPa、13.7%、97.6%、0.23%
ロストワックス(エリー材):890MPa、15.2%、鋳造品、0.15%
参考:MIM:高温学会誌 第36巻 第2号(2010年3月)、三浦秀士、伊藤芳典/ ロストワックス:NASA Technical Paper 3288 1992
【珈琲ブレイ句】金属3Dプリンター(Sinter based Metal AM)のMEX方式で注目しているのがDesktop Metal の「BMD」です。何が気に入っているのかというと、成形材が棒状のフィードストックを使っているところです。◆FFF方式と比較して何が素敵なのかというと・・・。FFF方式は巻き線フィラメントを使っているので、柔軟性を持たせるためにフィラメント内のバインダー量がメチャクチャに多いのです。バインダーが多いとスランプ変形が大きくなり、当然収縮率が大きくなるので焼結寸法精度が悪くなります。◆一方、BMDの成形材料が棒状のフィードストックということは、MIMと同等のフィードストック仕様を展開できるということです。究極のMIM材料はバインダー量を極限まで減らし高精度化を狙っているのですが、それを展開できる可能性があるのです。◆したがって自作したMIMフィードストックで棒を作れば3Dプリントできるのです。ただし、失敗してもメーカーは保証してくれませんので自己責任でチャレンジ!
◆蛇足:BMDのチタン合金製造ではStudio Systemのフルセットつまり、溶媒脱脂装置が使われています。Studio System2.0(溶媒脱脂工程省略)ではカーボンコントロールが難しく活性金属では避けられているようです。