2019年8月9日金曜日

タッピング測定器改良した結果がすごかった

体感的に失敗したと反省し改良した。
改良前:メスシリンダー25cc
改良後:メスシリンダー100cc(太い容器に変更)

結果 
タップ密度が向上した。同じ粉末なのに・・・
改良前で測定すると タップ密度3.61g/cc(測定重量m=78.97g)が
100cc容器での結果 タップ密度3.91g/cc(m=193.35g) となった。

タップ高さ:18mm  タップ速度:120BPM

なぜ、タップ密度が向上したのか(仮説)
①測定重量を大きくできるので運動エネルギーが大きくなった
②メスシリンダーの内径が4~5倍大きくなったので
 粉末のの移動できる自由度が増した
③メスシリンダー内面と粉末との摩擦が作用する単位重量当たりの面積が減った

◆大問題・課題◆
このようにタッピング密度の測定は、測定方法で平均値が大きくずれる。MIMの最適なバインダー量(臨界粉末量)を設計するために必須なので、MIM業界での規格化は必要ですね。また、タッピング密度ではなく「臨界粉末密度 Critical Powder Density」と改名し、タッピング法以外の粉末密度最大化手法も検討すべきだと問題提起しておきます。

◆増補◆この装置で測定した結果と、粉末メーカー報告値  との比較例
SUS316L 水アトマイズ粉末
A社の粉末 メーカー報告タップ密度=4.51g/cm3
   自作改良装置の測定値=4.48g/cm3 (メーカー比99%)
D社の粉末  メーカー報告タップ密度=3.71g/cm3
   自作改良装置の測定値=3.91g/cm3 (メーカー比105%)
メーカー測定値に肉薄する結果になりました。
2019/08/15

【珈琲ブレイ句】
なぜA社のタップ密度がこんなに高いのか? 問い合わせたら腑に落ちた。
①タッピング高さが高かった。40mm
②測定粉末は100g程度と同じであるが、タッピングの時は1.5~2倍の粉末を入れている。タッピング後、重量測定の時に、下部の測定用筒を正確に分離する方式である。すばらしいです。タッピングの欠点は、粉体密度が傾斜する。下の方が上より密度が高い。この欠点を逆手に取った、画期的な方法である。20190830
 ただし、この密度傾斜もある高さ以上では関係がなくなるそうだ。粉体重量と側面との摩擦力とのバランス問題で、ヤンセンの式を勉強する必要がある。20190914