2021年6月26日土曜日

なぜBASFはプレアロイ材を足し算したのか

 カルボニル鉄粉(CIP)を発明したBASFだからこそ、マスター合金をCIPで希釈するフィードストックは差別化技術であった。しかし、最近、プレアロイ粉末(合金鋼のアトマイズ粉末)のフィードストック*1も商品に加えてきた。この足し算戦略について考えてみる。材質は8620(≒SNCM220、炭素0.2%の浸炭焼入れ鋼)・・・なぜBASFはプレアロイ材8620を足し算したのか・・・

仮説1:8620材では、マスター合金希釈鋼よりプレアロイ鋼の方が機械的性質が高かったため。→部品の薄肉化(計量化)→世界の潮流SDGsに合致

仮説2:カルボニル粉の生産は他社に依存させる。C国製CIPの方が安価で品質も同等?→自社ではこれ以上増産しない(新規に製造プラントを造るの大変)。

仮説3:プレアロイのアトマイズ粉末の品質、価格、納期が向上している。日本製水アトマイズ粉末がQCDで優れている? C国製ガス・水ハイブリッド・アトマイズ粉末(独特許)がQCDで優れている?

【珈琲ブレイ句】カルボニル鉄粉CIPは微細粉末なので、昔から大好きで、合金を造る基材として重宝しています。これからもなくなることは無いでしょう。でもBASFさんが積極的にプレアロイ粉末製フィードストックを商品ラインナップに加えるのですから、それなりの理由があるはずです。

*1従来のマスターアロイ+CIP品:Catamold 8620 プレアロイ品:Catamold motion 8620


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