CSLとCPVPはともに「臨界粉末量(最大粉末量)」のことである。臨界粉末量は、粒子が外圧なしにできるだけ密に充填され、粒子間の全空間がバインダーで充填される組成である。ジャーマン先生の本では、CSL(critical solids loading)とある。後年の海外論文には、CPVP(critical powder volume percentage)と表記するものが散見される。CPVPの方が実感として分かりやすい。
新しくバインダー量を設計するときにはCSL,CPVPの測定が必要である。
【珈琲ブレイ句】CSL,CPVPの測定にはラボプラストミルという装置で粉末量を累積増加させながら混錬トルクを計測することで求めることができます。(逆にバインダーを累積増加させる方法があり、私はこちらが好きです。*1)また、CSLはタップ密度と強い相関があるのでこの線形式を使えば粉末のタップ密度からCSLをある程度推定することもできます。興味のある方はMIM指南書 3.3章 バインダー量設計の実際 式1 P74 を参照してください。しかし、プロフェッショナルの方は精密にバインダー設計をする必要があり、そのためにはCSL測定はマストです。CSL値はクリティカルなのでこの割合では成形できません。そこで少しバインダーを多めに設計します。その値はジャーマン先生の本で学べます。
*1MIM指南書とは
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