【珈琲ブレイク】MIM黎明期からカルボニル鉄粉が使われています。種類としては還元の有無で(炭素の大小)2種類です。しかし、化学成分を確認するとシリカが微量入ったものがありました。理由を聞いても明確な回答がなく、当然MIM焼結体の化学成分にシリカが残存するので、その種類はMIMに採用しませんでした。
先日ジャーマン先生の本を読み返していたら、その答えが記載されていました。一部のカルボニル粉にシリカを添加する理由は、「粉砕を容易にするため」です。つまりカルボニル粉の製造工程で発生する凝集を解くためです。
実はこのアイデアは、BJT用の粉末で応用されています(日本企業の特許です)。その効果は、凝集を解くだけでなく「粉体の流動性を向上させる」ものです。でも、欠点があります。流動性向上剤である微細なセラミックが焼結体に残存することです。
そして、この欠点を解決するアイデアが登場します。それは、セラミック微細粉末の代わりに固体潤滑剤であるメラミンシアヌレートの微細粉末を微量添加するものです。メラミンシアヌレートは加熱脱脂中に、主に窒素ガスとなり焼結体に残ることはありません。実はこのアイデアも日本の特許です(嫁入り先募集中です)。発明の名称:バインダジェット法に用いる積層造形用金属粉末