チタン合金や活性金属を含む超合金のような高品質金属の粉末製造法でどれが良いか考察した。その結果、品質とコストでEIGAが一番という結論に至った(私見)。その理由を以下にまとめる。
EIGA(Electrode Induction Melting Inet Gas Atomization)電極誘導ガスアトマイズ法:合金ロッドを回転させ誘導コイルで連続溶融させ直下のガスノズルでアトマイズする方式
理由1:真空、不活性ガスチャンバー内でガスアトマイズするため酸素の汚染が少ない。O=0.10
理由2:高価な合金ワイヤーを使うPA(プラズマアトマイズ)と比較して、EIGAは相対的に安価な合金ロッドを使うため材料費が安い。さらに比表面積の差でワイヤよりロッドの方が酸素量が少ない(100ppm)
理由3:真空誘導溶解不活性ガスアトマイズ法VIGAでチタン合金を扱った場合、溶解炉の耐火物がコンタミとして混入する。EIGAではコンタミは発生しない。
理由4:真球度0.92、サテライトがほとんどつかない、粉末内のガスが少ない(相対密度99.4%)
理由5:プラズマ回転電極法(Plasma Rotating Electrode Process)と比較すると、相対密度99.999%では負けるが、球径 30-150μm(電極棒φ70mm×20,000rpm)と大きいので、微細粉末を指向するならEIGAの方が有利
【珈琲ブレイ句】EIGAは主にL-PBFの金属3D積層(Metal AM)用の粉末をターゲットにしています。そのため粒径は流動性を確保するために大きめの15~45μmを狙って作られています。MIM技術伝道士としては、どうしてもMIM用微細粉末を作れるのかを考えます。EIGAは従来のガスアトマイズ技術を採用しているので技術的には可能であると思われます。