今後、Custom 465ステンレスがMIMで採用される事例が多くなると考えています。そこでMIM製造のポイントをまとめておきます。
《ニーズ》
Custom 465はSUS630(17-4PH) や 420J2 では強度が不足するような極小・薄肉設計(壁厚 0.3〜0.5mm)でMIM化のニーズを秘めている。
《長所・特徴》
1)MIMで約1,655 MPaの引張強さを達成した研究実績がある
2)高い硬度(HRC54)と高靱性
3)SUS304相当の高耐食性
4)析出硬化処理条件による特性調整が可能
《製造上の注意点》
SUS630の強化元素はCuですが、465の強化元素はTiです。このTiが多いので焼結工程に技術力が必要になります。
1)焼結条件の管理が難しい。最適な焼結温度範囲が狭い。1379℃でほぼ理論密度に達する。
2)Ti含有量=1.50~1.80wt%。Ti酸化物による焼結阻害。 HIP処理した試験体で1~2%の気孔率を示した。気孔近傍ではTiが多く,その酸化物が焼結を阻害したと考えられる。
【珈琲ブレイ句】チタンの酸化管理と焼結条件の最適化が鍵になります。64Ti合金を商品化しているMIMメーカーであれば楽勝ですね。
それにしてもHIPをしたら、気孔率が増加するとは面白い現象です。気体は還元反応ガスCOで、気孔が増加した理由は、チタンの酸化被膜で相互拡散を妨げられた気体が集合して気孔になった。と理解しました。
D2273
参考文献:CUSTOM 465 STAINLESS STEEL FABRICATED BY METAL INJECTION MOLDING (MIM) ROUTE、CHEN David(Arc Group Worldwide, FL) , BANDYOPADHYAY Ananyo(Arc Group Worldwide, FL) , ENDO Ken(Arc Group Worldwide, FL) , NICHOLS Ashley(Arc Group Worldwide, FL) ,Advances in Powder Metallurgy & Particulate Materials ,2014- Vol.2