2018年12月8日土曜日

MIM工場で爆発事故は発生するのか考えてみた

「危険予知」の観点から爆発の可能性を考えてみた。
私は今まで見聞したことはないのですべて空想である。
工程順に考えてみる。
【混錬工程】
・金属粉末の粉体発火、粉体爆発 《可能性あり》
 「ステンレス粉体の自然発火」神奈川県産業技術センター研究報告書 No.20/2014
・溶融加熱用の高圧蒸気の圧力による破裂、配管接合部から蒸気が噴射《可能性あり》
【脱脂工程】
・可燃性溶剤を使っていたらその溶剤の発火《大いに可能性あり》
・加圧していたら、その容器の破裂《可能性あり》
【焼結工程】
・水素ガスを使っていたら、空気と混ざったときに爆発《可能性あり》

「転ばぬ先の杖は徹底的に準備することが前提」であることは言うまでもありません。

2018年12月4日火曜日

アルミのMIMは存在しないのか(その2)

オーストリアのウィーン工科大学の研究チームはユニークな方法で「アルミMIM」を造っている。詳細は不明だが、方法の概要はこんな感じである。
①常識の逆で、酸素リッチの雰囲気で加熱。
(普通なら高真空にして還元させるがAl2O3は高温じゃないとダメ
 一方母材のアルミは低融点金属という板挟みということ)
②酸素雰囲気を窒素に置換し、さらに温度を上げる。
③マグネシウムの助けにより酸化アルミニウム層が破壊され還元する。
 (マグネシウムを添加??)
④結果 アルミが液相を生じて焼結が進む。
特許化している。特許化されると敷居が高くなる。

【追加】平均粒径を3μmにすると高密度化できる!
こんな論文を発見した。細かくすれば簡単にできる。 
(粉体および粉末冶金2004-51-7-p492-498 加藤ら)
条件:純アルミニウム、平均粒径3μm
   加熱脱脂(Ar雰囲気)(大気中だと強度・伸び激減)
   焼結温度650℃ 真空度10^-2Pa
結果:相対密度95% 引張強度120MPa 伸び19%

2018年12月3日月曜日

アルミのMIMは存在しないのか?

 この質問を受けると、研究レベルではアルミのMIMはありますが、量産はされていない。と答えている。アルミは活性な金属で、粉末にした時の表面酸化物Al2O3が、焼結を妨げるため、相対密度は80%程度が限界である。(粉末の周りがアルマイト処理されたようなものと考えると焼結しづらいことがイメージできる)
 しかし、シリコンSiを1% あるいは銅Cuを4%添加すると焼結密度が96%以上になる。理由は、SiやCuがAl粉末の酸化被膜を破り焼結を進行させていく「液相焼結法」と呼ばれるものらしい。この実験では純Alの粉末11μmの微細粉末で、溶製材 純度99%「A1100」に匹敵する強度がでる(伸びは若干劣る)。
 ただ、現実的に考えると、アルミなら「金型に直接射出成形できる」アルミダイカスト、金型低圧鋳造など、こちらの方が精度は確実に高いのでメリットが大きいと感じる。

参考文献:MIM‐Alの焼結特性に及ぼす元素粉末添加の効果、産業技術総合研究所 加藤清隆、朝比奈他 概要:MIMアルミニウム成形体の焼結性を改善するために、元素粉末を添加して液相焼結を試みた。1質量%Siまたは4質量%Cu粉末と純Al粉末(平均粒径:35μm、20μm、11μm)からなる混合粉末を出発物質とした。次に、焼結Al-1SiおよびAl-4Cu成形体をMIMで作製した。得られた成形体の密度、微細組織および室温での引張特性を調査した。得られた結果は以下のようにまとめられた。(1)Al粉末のサイズに関係なく、これらの元素粉末を添加すると焼結Al成形体の密度が大幅に向上した。最も粗い35μmのAl粉末を使用した場合、純Al成形体の相対密度はわずか66%であったのに対し、Al-1SiおよびAl-4Cu成形体は両方とも89%まで上昇した。 11μmのAl粉末を用いた場合、Al-1SiおよびAl-4Cu成形体はいずれも相対密度が95%以上であった。(2) Al-1Si成形体の引張特性は、焼鈍処理した鍛造純Alの引張特性に近い値を示した。Al-4Cu成形体はAl-1Si成形体よりも伸びは低かったが、引張強度は高かった。