2020年12月27日日曜日

BASFの高流動性MIMフィードストックを掘り下げる

 MIMフィードストックの3要素、結合剤、潤滑剤、可塑剤を無視して、ほぼ結合材だけで設計されている独創的なMIMバインダーがBASFのそれである。成形性が悪いのであるが近年高流動性MIMフィードストックが開発されている。20年前のデータと比較すると流動性は2~3倍向上し,一般MIMフィードストックと同等の流動性に変異(進化)している。

SUS316L: MI値300-700g/10min(20年前)→1000g/10min(GPLUS)→1300g/10min(EVO)

17-4PH: MI値200-450g/10min(20年前)→1100g/10min(EVO)

MI値:メルトインデックス,Melt flow INDEX, MFRと同義,190℃,荷重21.6Kg、ダイス径は不明?


【珈琲ブレイ句】流動性が高くなった理由は、バインダーを増やしたわけではありません、むしろ高精度化を目指し(CSLを追求し)バインダー量は減らしているのです。ではなぜ、高流動化できたのか。ここからは推測ですが「高流動性のPOMを採用した」ためだと思います。実際に10年ほど前、高流動性POMが登場し少し実験を行ったことがあります。さらに発展して、今現在「超高流動性POM」が販売されています。「超」が付いています、ものすごいのです。となれば「可塑剤、潤滑剤を減らせる」と考えてもよさそうです。上の事例はBASFフィードストックの話しですが、通常のMIMフィードストックであっても次の改善開発のアイデアが考えられます。「結合材を高流動ポリマーに変更することで可塑剤や潤滑剤を減らす、あるいは融点の高いものに変更する。そうすれば、現状と同じ流動性でありながら、金型のワックス汚染を減らせる」かもしれません。

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