MIMフィードストックのレオロジーを理解することは、成形条件の最適化および材料開発を行うために必要である。ポイントは4つ、
1.MIM成形材料(フィードストック)は、非ニュートン流体の擬塑性流体である。これはせん断速度の増加により粘度が減少する(Share thinning)こと。
2.せん断速度と粘度は、LOGの世界で線形の関係である(下図)。粘度=K・せん断速度^(n-1) より、LOG粘度=(n-1)LOGせん断速度+Log(K)
3.そのべき乗指数nは、n<1であり、小さい方が射出成形に適している(下図の①の方が②より良い) グラフの傾きが(n-1)に相当する。
4.MIMプロセスで許容できる最大粘度は、1000 Pa・sである。
【珈琲ブレイ句】せん断速度が小さい時に粘度が高くても、高速域でずり流動化挙動が高い(シェアシンニング性が高い、nが小さい)材料の方が射出成形には有利だとされています。ちなみに、キャピラリーフローが公開されているMIMフィードストックのべき乗指数nを計算すると、平均して0.3程度です。異端児であるBASFさんの材料のn値を読み取ると、それより大きなn値(約0.5)になりました。やはり、相対的に成形が難しいことがわかります。でも、普通の射出成形機で成形する場合、速度10%で、難なく10^3.78(1/s)のせん断速度が出せるので、どんなMIMフィードストックでも安全条件地帯で成形することができます。
単位: 1 Pa・s = 10 Poise =10 P= 10 g/cm・s
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