市販のMIMフィードストックが登場している。また、自作する場合に「どんなMIMフィードストックにすればよいのか」。その評価項目(特性)を列挙しておく。
CSLに基づくバインダー量(Vol%):少ないほど変形が少なく高精度。焼結体の寸法の分散(標準偏差)。
バインダー濡れ性:接触角が小さい方が金属粉末との濡れ性がよい。
フィードストック均質性:フィードストック製造バッチからランダムサンプリングによる密度測定データの分散(標準偏差)、小さい方が均質性が高い。
相溶性:顕微鏡観察、2種の高分子ポリマーの混和性確認。ポリマー島状NG、連続線状Good。
流動性(キャピラリーフロー):せん断速度(log1/sec)VS 見かけ粘度(log poise)。直線が下方向ほど成形しやすい。成形限界粘度10^3poise
熱変形(脱脂・焼結):二点指示の中央変形量、変形量は小さい方が良く高精度。
液状化度:金型のPL等の隙間にバリが発生しない。低分子量、相溶性。
熱分解特性:熱重量分析、温度管理巾の広い傾斜プロファイル。脱脂・焼結炉のプログラム設計基礎データ。
残渣量:バインダーに起因する残留炭素量。バラツキが少ない方がよい。平均値が少ない方が良い、ゼロ望目(低炭素鋼、チタン合金等)。
【珈琲ブレイ句】MIMフィードストックの評価項目はたくさんあります。すべての項目をベストにすることは不可能です。特性値の間に交互作用が存在する組み合わせががあるためです。例えば、バインダー量を最小化すれば流動性は当然悪くなります。PLへの液状体侵入を押さえるために脂肪酸類を減らせば流動性が低下します。総合的な品質バランスを考えてフィードストックを開発する必要があります。