MIM入門者(MIMフィードストック開発)およびMEX用フィラメント開発者に有益な素晴らしい論文を紹介する。下にJ-Stageへのリンクを貼った。
《秀逸なところ》
①溶媒脱脂(パーマテック系)、加熱脱脂(ウイテック系)、NEW加熱脱脂(3STD、シングル系)をほぼ網羅している。
②熱分解温度で3つのグループを提示し「SA,PW,DOP」「PMMA,POM」「PS,PE,ABS,EVA,PP]、その組み合せにより、三段階の熱分解曲線(3STD)の可能性を示している。
③溶媒としてHexanとMEKの脱脂性と脱脂率の違いを明確に解説している。
参考資料:伊藤芳典、針幸達也、佐藤憲治、三浦秀志 ”加熱脱脂および溶媒脱脂を考慮したMIM用バインダの検討” 粉体および粉末冶金 第49巻 第6号 518-521
【珈琲ブレイ句】この研究論文から、(触媒脱脂法を除く)すべてのMIM製法のフィードストック仕様のヒントを得ることができます。丁寧な良い仕事をされていると感心します。この内容はパテントを気にすることなく有難くいただくことができます。
ひとつだけ気になるところは、「PMMAの膨潤」です。溶媒脱脂とPMMAの組み合わせを選びたい方は、PMMAの膨潤による脱脂中のグリーン体割れの発生の有無を確認した方が無難です。