【珈琲ブレイ句】このたび「工具鋼M2,D2のMIMが難しい理由」の解説図を作りました。融点(液相線)ではなく固相線で説明することにしました。合金なのにFe-C状態図に重ねているところが無理やり感満載ですが、ご了承ねがいます。
D2(ダイス鋼SKD11)やM2(ハイスSKH51)は溶けが発生しやすいのでMIMの量産化が難しい鋼です。「なぜ溶けやすいの?」の質問に対する回答は、①「残留バインダーの炭化で炭素量が増加する」そして ②「炭素が増えた分だけ融点降下(凝固温度降下)が発生する」の流れで説明しています。
さらに質問が「残留バインダーはどうして発生するの?」回答は、①一次脱脂不足(分解温度保持時間短、厚肉部品はとくにヤバイ)②二次脱脂不足(積載量オーバー、セッター接地面との通気性、真空排気系能力低下、分解温度保持時間短、スウィープガス流量不足、バインダー分解ガスによるブラウン運動自己浸炭)。など・・工程設計最適化の他に予防保全として管理図(C%、Qサーモ*1)による設備管理も必要になってきます。
*1 MIM指南書 金属粉末射出成形ガイドブック 4.4.6相対温度計Qサーモのすすめ P153