2023年3月15日水曜日

「粉末冶金の科学 」の増刷

【珈琲ブレイ句】 国会図書館で閲覧しているジャーマン先生の本「粉末冶金の科学(翻訳:三浦先生) 1996」が2020年に増刷されているのを知り、座右の書として購入しました。コレクター価格ではなく定価で購入することができてうれしいです。

でも、なぜ今、増刷なのか?

その理由は、たぶん・・「金属粉末を使用した付加製造技術(Metal AM)」の登場で粉末冶金を学び直す人たちが増えたためだと思われます。とくに微細粉末を扱う、Sinter Based Metal AM (=MIM Like AM)関係者の必読書ですね。

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2023年3月12日日曜日

ブドワール反応を身近なもので理解する

 【珈琲ブレイ句】ブドワール反応(ブドワールの平衡式、ブードア平衡)は次の反応式で左から右へ、右から左へ双方向に進みます。CO2+C←→2CO 

MIMバインダーにも使われているパラフィンワックスを使ったローソク(蝋燭)で考えてみましょう。ローソクの炎は完全燃焼部(約1400℃)と不完全燃焼部(約800℃)があります。この不完全燃焼部から一酸化炭素COが発生しています。炎の上に冷えた金属板を被せると「煤(スス)」が付着します。これは、金属板に炭素)が付着し二酸化炭素CO2は逃げていったという事です。ブドワール反応の右から左への反応です。この逆の反応がMIMを焼結するときに発生しているということです。金属粉末の酸素と金属粉末の炭素(およびバインダー由来の炭素)が反応してCOになっているということです。さらにCOは有毒ガスなのでMIM脱脂焼結炉で発生するCOは室外へ完全に排気する必要があることもわかります。

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2023年3月11日土曜日

焼結中の炭素と酸素の還元反応

 焼結体の炭素Cと酸素Oの量は、粉末のCとOの量と同じにならない。それは、CとOの還元反応およびブドワール反応(Boudouard reaction)が起こるためである。

還元反応 : C+O → CO

ブドワール反応 : CO2+C ←→ CO

【珈琲ブレイ句】この反応は圧力により変化し真空度が高いほど低温でCO反応が優勢になっていきます。通常焼結1.33Paでは、600℃以上でCO反応が支配的になるという報告もありますが、現場の焼結チャートを観察すると900℃あたりからCO反応が激しくなっているのがわかります。実際の焼結品の炭素量は、CO還元反応だけで計算した値にほぼ一致しました。CO還元の計算は「CーO/1.33」です。この1.33は1モルのCとOの質量比です。もしこの計算値より焼結体の炭素量が多いときは、一次二次脱脂不完全によるバインダー由来の炭素が増えた。逆に少ないときは、酸化(錆び含む)で酸素が増えたことによる焼結体の炭素減少が考えられます。対策は、管理図や設備管理などの現場の品質管理QCが必要になります。

参考:”射出成形したSUS316Lステンレス鋼の脱脂、焼結過程におけるC,Oの挙動” 杉山、村田、天野、和出、木村、粉体および粉末冶金、第44巻第5号、416

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