2023年8月3日木曜日

MIMの不良に「巣」はありません

 【珈琲ブレイ句】MIMの内部不良である気泡は巣ではありません。最近、誤用されている方が散見されるので、少し説明させていただきます。

MIMの「気泡」は、MIM用語だと「void」あるいは「trapped air」です。つまり、空気やガスが取り残された小さな空間(空隙)です。

一方「巣」は鋳造不良なのでMIMの粉末冶金とは世界が違います。「巣(引け巣)」は、鋳造用語では「Shrinkage、Shrinkage cavity」です。つまり、凝固収縮(Coagulation Shrinkage)により発生する空隙のことで、溶湯が型の中で最後に凝固収縮する部位に(押し湯が不足しているときに)発生します。

ところで、MIMの気泡の原因である「trapped air」とはなにものでしょうか? 4つ紹介します。①射出成形の時に巻き込んだ金型キャビティ内の空気。②射出成形の可塑化中に発生したバインダー分解ガスの巻き込み ③二次脱脂後の閉気孔生成後期の還元反応によるCOガス ④射出成形で混入した異物の高温加熱による分解ガス。「air」とは、空気だけではなく気体(ガス)のことです。

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