XERION Berlin Laboratories GmbHが取得した特許について掘り下げてみる。英語タイトルは、「APPARATUS FOR DEBINDING AND SINTERING A WORKPIECE」意訳すると「積層造形体の脱脂および焼結のための装置」
装置に関する特許。MEX用フィラメントは市販のBASF-POM系フィラメントを使うもので、特徴は、触媒脱脂に硝酸ではなくシュウ酸を使い、「カートリッジに入れた粉末のシュウ酸を昇華させて脱脂・焼結炉へ供給させるシステム」が請求項のようだ。焼結ガスは、真空、N2、N2+H2。
現在供給されている金属FFFは3種類で、BASFフィラメント(SUS316L、SUS630)、純銅である。
【珈琲ブレイ句】どんな特許なのかと思いましたが、装置に関するもので新規性はあまりなく応用的な特許でした。脱脂速度は硝酸と同等とありますが、シュウ酸の速度は硝酸の3~5割減の可能性*1があります。それにしても、XERIONが提案する The Fusion Factory XSは、持ち運びできる工場がコンセプトで、3つのトランクケースで構成されておりカッコイイです。XERIONのHPの広告写真から受ける印象は、「戦場でMetal AMを活用する」です。MIM-Like AMの技術応用編がもの凄いことになってきました。
*1 BASFジャパン、村山、粉末の射出成形研究会編、粉末の射出成形技術1996、P81