【珈琲ブレイ句】ロストワックス(ロストワックス精密鋳造法)とMIM(金属粉末射出成形法)の両方を経験してMIMが凄いと感じた事例をひとつ紹介します。
それは、SKD11の球状化組織の違いです。MIMは完全な球状化組織になる*1のです。一方、ロストワックスは、炭化物がミミズの様に長くなるため球状化焼鈍(長時間変態点を境に上下させる熱処理)を行います。これで硬度が規格内まで下がるのですが、組織を観ると炭化物は細かく分断されますが完全な球状ではありませんでした。
*1:適正焼結温度、適正炭素量の場合に球状化組織になります。温度が高すぎて液相焼結させすぎるとNGです。工具鋼は適正焼結温度幅(焼結機能窓)が狭いのです。だから、ユーザーは、焼結機能窓を大きくするための工夫をしているMIMメーカーへ依頼しましょう。キーワードは、ロバスト性能、ピン止め効果、バイモーダル粉末設計。