Formlabs 社(米国)が開発した3Dプリンター用アルミナレジンを深堀してみる。MIM屋としての着眼点は「試作用のセラミックセッターに使えるか?」である。
アルミナレジン:Alumina 4N (約17万円/750ml)
3Dプリンター:Formlabs 社 Form3+等(LFS方式Low-Force Stereolithography )
製造工程:①3Dプリント → ②溶媒洗浄 → ③大気脱脂(1000℃×5日間) → ④ 焼結(1510℃×2日間)
焼結体性状:相対密度=98.6%(真密度3.986)、アルミナ純度99.99%、曲げ強度(XY方向)=400MPa、曲げ強度(Z方向)=320MPa、引張強度=380MPa、耐熱温度=1500℃、硬度=HV1500
結論:MIMの試作用セラミックセッターとして十分使える。
【珈琲ブレイ句】複雑形状のMIMでは、焼結変形防止のためにセラミックセッターが必要になる場合があります。この量産用2.5次元セラミックセッターには金型が必要なので納期が数か月掛かります。それを待っている間に、このAlumina 4Nレジンで作ったセッターがあれば、納期を1か月は短縮できます。収縮率と精度は不明なのですが、少なくともMEX積層のセラミック造形体より一桁緻密に積層できるはずです。さらに、安価な設備投資でトライできます。(3Dプリンターは数十万円、洗浄はアルコールを入れた超音波洗浄器、脱脂と焼結は、実験用の大気炉)
蛇足ですが、MIMだけでなくロストワックス精密鋳造用のセラミック中子にも使えますね。 凄い時代になったものです。あぁ~!現役時代に欲しかった!!