Sinter based Metal AM(MIM-like AM)と機械加工が合体したハイブリッド機を2つ記録しておく。( 注:溶射・溶融積層装置とマシニングセンターのハイブリッドではない。)
【MEX+高速マシニングセンター】Mantle社(サンフランシスコ)の「P200」 →関連BLOG
【BJT+多軸高速ボールエンドミル】3DEO社(カリフォルニア)の「Intelligent Layering」
Intelligent Layeringは、100 μm の粉末層を堆積し、端から端まで均一にバインダー(紫外線硬化)が噴射され、光硬化された層ごとに多軸の高速エンドミルで加工する。削り出されたグリーン体は脱脂焼結される。残った粉末層は再生する。
【珈琲ブレイ句】Intelligent LayeringのBJTは、従来のBJTのように選択的にバインダーを噴射するものではなく、粉末層全体に振り掛け含侵層を作りエンドミルで部品を掘り出すことを繰り返すものです。メチャクチャ贅沢な感じです。一方、P200はMEX造形の削り代部分を機械加工するので歩留まりは相対的に良いと感じます。
これらのハイブリッドの利点は精度ですね。MEXやBJTより一桁以上精度が良くなるでしょう。
でも、機械加工削り出しと比較すれば、精度はかなり低下します。理由は焼結収縮による誤差が加わるためです。それでは、機械加工と比較してメリットを考えてみましょう。まず、工具寿命が格段に延びる。 材料費削減メリットは無いかも?(粉末は溶性材より数十倍高い)。高速加工削り出しの方が脱脂焼結(1~2日間)が無い分だけリードタイムが短い。 結論、QCDで機械加工の削り出しに勝てないような気がします・・?
でも、最大のメリットが発現する条件が2つあります。それは①「難削材の部品を作る」時ですね。グリーン体を削るのは難削材粉末でも容易なのです。②機械加工では原理的にできない中空形状の3D造形ができるところです。
さらに、MIMへの展開が目的の試作部品の製造であれば大歓迎です。がんばれ!ハイブリッドMIM-likeAM。