2025年2月14日金曜日

Niフリーステンレス(窒素吸収法)を掘下げる

母材:フェライト系ステンレスGA粉末 Fe-17Cr-12Mn-3Mo-0.2N

バインダー成分・配合:PW,PP,DOP、30VOL%

MIM成形体の脱脂:加熱400℃、N2

焼結+窒素吸収:室温~980℃まで真空、980~1250℃+窒素導入、焼結温度1250~1300℃+窒素0.2MPa、1200℃+窒素×5H、炉冷

熱処理:1200℃溶体化(オーステナイト化)+900℃5h時効

MIM成分:Niフリーステンレス Fe-17Cr-12Mn-3Mo-1N

引張強度:約1050MPa   硬度:250HV

《比較》Catamold P.A.A.A.C.E.A.

引張強度:≧1090MPa   硬度:250~300HV

参考:青山陽亮、黒田義和ら ”金属粉末射出成形で作製したオーステナイト計ステンレス鋼の引張特性に及ぼす窒素添加と変形双晶の影響”J.Jpn.Soc.Powdwe Metallurgy Vol.56 No.3 ,特許第5616299号 、 BASF Data Sheet D/CA 017a March 2008 Catamold P.A.A.A.C.E.A.

【珈琲ブレイ句】金属アレルギーに優れ、医療で使うMRIに影響されない非磁性体の要求を叶える「窒素吸収法を使ったニッケルフリーステンレス製造法」は、ガウス㈱の特許(出願2011/8/9)です。フェライトステンレスに窒素を吸収させてクロムの代わりに耐食性を向上させるものです。特許を読み込むと、さらにオーステナイト相を安定させるCuを2~3wt%、強度向上目的の結晶粒微細化のピン留めとしてNbを0.02~0.06wt%添加するのもイイヨと教えてくれます。

Catamold P.A.A.A.C.E.A.のData Sheetを見るとNiが最大0.1wt%加えられています。相対的に強度と硬度が少し高いのはNi微量添加の効果かもしれません。

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2025年2月9日日曜日

Desktop Metal BMD Studio SystemによるTi-6Al-4Vの機械的特性

 Desktop Metal社のBMD Studio System(MEX3Dプリンター)で積層したTi-6Al-4Vの機械的特性が、MIMだけでなくロストワックスにも肩を並べているので記録する。

試料名:引張強度Mpa、伸び%、相対密度%、酸素%

Desktop Metal BMD製:845MPa、17%、97.5%、酸素量不明

MIM製(細Al-4V調合粉末):930MPa、15.8%、97.5%、0.34%

MIM製(粗Al-4V調合粉末):880Mpa、14.5%、96.7%、0.26%

MIM製(合金粉末):850MPa、13.7%、97.6%、0.23%

ロストワックス(エリー材):890MPa、15.2%、鋳造品、0.15%

参考:MIM:高温学会誌 第36巻 第2号(2010年3月)、三浦秀士、伊藤芳典/ ロストワックス:NASA Technical Paper 3288 1992

【珈琲ブレイ句】金属3Dプリンター(Sinter based Metal AM)のMEX方式で注目しているのがDesktop Metal の「BMD」です。何が気に入っているのかというと、成形材が棒状のフィードストックを使っているところです。◆FFF方式と比較して何が素敵なのかというと・・・。FFF方式は巻き線フィラメントを使っているので、柔軟性を持たせるためにフィラメント内のバインダー量がメチャクチャに多いのです。バインダーが多いとスランプ変形が大きくなり、当然収縮率が大きくなるので焼結寸法精度が悪くなります。◆一方、BMDの成形材料が棒状のフィードストックということは、MIMと同等のフィードストック仕様を展開できるということです。究極のMIM材料はバインダー量を極限まで減らし高精度化を狙っているのですが、それを展開できる可能性があるのです。◆したがって自作したMIMフィードストックで棒を作れば3Dプリントできるのです。ただし、失敗してもメーカーは保証してくれませんので自己責任でチャレンジ!

◆蛇足:BMDのチタン合金製造ではStudio Systemのフルセットつまり、溶媒脱脂装置が使われています。Studio System2.0(溶媒脱脂工程省略)ではカーボンコントロールが難しく活性金属では避けられているようです。

2025年2月4日火曜日

MIM脱脂焼結炉(HIPER炉)の客観的研究

 【珈琲ブレイ句】MIM脱脂焼結のためのMIM専用炉としては「SHIMAZUが大好きなのですところが近年そっくりな「HIPERが登場していますこの炉が実に優れているのでまとめておきますできるだけ中立・客観的立場でまとめていますが、少し「自分の意見」もいれています。HIPERさんは元島津さんのエンジニアだったそうで基本仕様はSHIMAZU炉流ですしかしユーザー目線でいくつかの改善仕様が組み込まれており島津先生を超えるために死に物狂いで開発をしたんだろうなと感じる名品なのです。

【温度制御】《計測》炉内温度とタイトボックス内温度のダブル計測(カスケード接続)、カスケード制御によりプログラム応答80%。《加熱》独立制御できるヒーターで加熱(マルチゾーン独立温度制御システム)により炉内温度ばらつき<±1℃。「これならJIS化学成分のハイカーボンの鋼でもフルチャージできますね。」

【ガス流制御】《島津炉と逆のガス流れ方式》実験結果では焼結体のバラツキは減少したそうです。「未確認ですが、黒鉛断熱材が汚染される可能性があるので、私は確認できるまで疑心暗鬼です。∵クロム等の蒸発金属汚染問題です。」《その他のガス流制御》いろんなバルブを追加して一次流れ二次流れを設計できるそうです。ガス対流のばらつきを最少化するためのダメ押し対策です。「熱伝達3要素をしっかり理解しコントロールしようという徹底的な攻めの開発姿勢を感じます。」

【設置面積のミニマム化】《標準仕様で電源を炉体の上部に配置》「ユーザーの立場でよく考えられています。こちらは島津さんでも依頼をすればやってくれます。」

「国内商社の数社がHIPERを扱っています。通常メンテナンスは、国内専門業者に頼めば大丈夫でしょう。心配なのは、消耗交換部品ですが、主要部品だけ在庫していれば安心できますね。