2018年9月1日土曜日

MIMのStandard規格を調べた

・世界には 3種類のMIM材料標準・規格がある②
 1993年MPIF Standard35 が発行されてISO規格2012年ができるまで約10年を要す
 →MIM30年間の歴史から考えれば最近だ 
・インプラント用にコバルト合金とチタンの規格が作られている③④⑤

・超合金718は 中温タービン翼用?だと思われる⑥
・MIM規格のJIS化はまだ実現していない⑦

世界のMIMStandard
①用語: MPIF Standard 64
②MIM一般材料:3種類
  MPIF Standard 35(1993) /  ASTM B883-15(1997) /   ISO 22068(2012)
③純チタン:ASTM F2989-13(1997) (外科用インプラント)
④Ti-6Al-4V:ASTM F2885-11(1997) (外科用インプラント)
⑤Co-28Cr-6Mo:ASTM F2885-10(1997) (外科用インプラント)
⑥超合金718:SAE AMS-5917 (HIP処理と溶体化および時効処理)

⑦日本の標準
 JPMA G 02‐1996 MIM用語
 JPMA S 01-2014 金属粉末射出成形材料-仕様
  《追記》 JISがやっとできました。JIS Z 2551(2021)金属粉末射出成形材料-仕様

2018年8月30日木曜日

MIMの誕生と日本のMIMメーカー

 

1972年にDr. Raymond E. Wiech Jr.はMIMを発明し、共同設立者(4名)としてカルフォルニアに『パーマテック社』を立ち上げ(1973年頃)、MIM量産技術を確立する。後に脱脂を加熱に変えた「ウイテック法(加熱脱脂)」を考えて独立(1981)する。(結局、創業者4名はライセンス分野を分け合って友好的に別々の道を歩み始める)
日本国内では・・・遅れること10年・・・
国内メーカーは独自でMIMの研究開発を開始する、そこに「パテント黒船襲来」ウイテックからの特許抵触のアナウンスに恐れ、かなりの国内企業がウイテック法に傾倒すると、ウイテックジャパンを設立する。そこで一手にフィードストックを販売していく。しかしその中で特許に抵触しない製法を持つ企業も存在する。さらに元祖であるパーマテック法を採用した日本企業も2社『M社(現在休眠中)とJ社』あった。この3つ流れが今も続いている。 追加20190911:N社のAMAX法を忘れていました。溶剤脱脂でパーマテック法の亜流です。


 というわけでこの3つの流れの中で日本MIMメーカーはどのように発展したのか


①    元祖パーマテック法を採用した企業は、独自にフィードストックを開発
     溶媒脱脂であるため大物ができるようになる


②    ウイテック法を採用した企業は、標準カタログのフィードストックを購入
     加熱脱脂であるため小物中心で、企業間の品質の差がほとんど無い


③    独自製法の企業(国内最大メーカー)は、独自のフィードストックを開発
   (いろいろ発明あれど加熱脱脂が主流)トップを独走、業界を牽引していく

    


1980~1990年 (第一世代)鎖国的研究開発時代 各社独自に研究開発                     (今の3Dプリンターのようなインパクトがあったようだ)
        1988年~大学等の研究論文も発表され始める

1991~2000年  (第二世代)開国成長期 自力・他力でとにかく量産開始
        パーマテック、ウイテックの基本特許・技術契約切れる

        全く新しい工法出現。BASF法(触媒脱脂)など
                また、国内フィードストックメーカーも出現する
        一方、後半には、MIM廃業する企業が出始める
        1997年 MIM関係論文数ピーク22件

2001
年~    (第三世代)自然淘汰・進化時代
        設備の老朽化と担当技術者定年に合わせるように撤退・統合
        技術的(Q,C,D)に優位性のある企業がさらに発展する
        スーパーアロイ(超合金)のMIM論文が発表される
 

2018年8月14日火曜日

PADSというMIM製法を勉強した

2011年の論文を読んだ。PADSは知らなかった。
「Plasma Assisted Debinding and Sintering」
直訳すると「プラズマ・アシスト脱脂焼結法」
ブラジルのサンタカタリーナ連邦大学機械工学部の論文である。

とにかくすばらしい画期的な技術開発だ! 
感動したことをまとめると・・・

①    2つの電極の間に生成するDC放電によるプラズマ環境の中でブラウンパーツを脱脂させること。画期的なことは脱脂したバインダをガスに変身させるところ。
   さらに連続して焼結まで行い その時間7時間。

②    理屈は、プラズマ放電により炉内にパージさせた水素が水素原子になり、ブラウンパーツの高分子CxHyを低分子に分解し、CとHの化学反応で、なんとメタン、エタン、プロパンのような低分子量のガスが生成されるそうだ。

③    したがって、炉体内部および真空排気系が脱バインダーのドロドロで汚染されることが無い。

すごい技術である。 

この論文から7年すぎているが本技術を国内で見たことが無い。どうも特許出願しているようなので後8年間は待つ必要がありそうだ。  追加:1997年の開発 なので特許失効まで5年弱

ブラウンパーツとは、グリーンパーツ(成形体)を溶媒脱脂して低分子樹脂を抜いたもの。ちなみに焼結体はシルバーパーツ。