2024年7月30日火曜日

MIM品質における課題の分離

 【珈琲ブレイ句】MIMの品質は2つに分解できます。それは「設計品質」と「製造品質」です。この2つは分離して対応しましよう。設計品質の不適合を、下流の製造工程で改善することはできません。初期流動管理を終了させてから製造部門の品質管理へバトンが渡されるのです。

設計品質:MIM部品の素形材形状設計(MIM用にVE設計しているか)、金型方案設計(MIM不良が発生しない方案になっているか)、金型寸法設計(拡大率、伸び尺が適切に使われているか)、工程設計(QC工程表の最適化)、金型製造品質の検証

MIM製造品質:製造品質管理QC、工程内検査・管理、出荷検査、品質改善

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2024年7月16日火曜日

MIMの工程能力指数はCpk、AMはCpを使う理由

 【珈琲ブレイ句】工程能力指数は、規格の幅に対する製品のバラツキ分布の大きさ(精度、精密さ)と平均値の偏り(真度、正確さ)を評価する指標です。工程能力指数が1.33を超えると工程は安定していると判断されます。計算式はQC3級のテキストで復習していただくとして、表題について説明します。

MIMの工程能力指数にCpkを使う理由:MIMは金型転写だから。金型の寸法が初めから偏っていたら、製造部門で調整・制御することはできません。金型の精度に依存するのです(方案設計含む)。つまり金型が命なのです。製造部門で管理する寸法品質は、収縮率とスランプ変形ぐらいです。寸法を成形条件で調整すると充填不良(ウエルド、ヒケ等)やオーバーパッキング(抜け不良、バリ等)が発生しますので、現場任せにせず金型を修正しましょう。ちなみにCpkのkはカタヨリのKで日本語です。

AMはCpを使う理由:AMはバラツキ分布の平均値と規格中心とのカタヨリを簡単に補正すことができるのでCpが使えるのです。NC制御の加工機械と考え方は同じです。また、バラツキはAMの積層条件で改善できる可能性があり、当然平均値も動きますので、CpとCpkを評価値としてパラメータ設計(タグチメソッド)等で最適化することをお薦めします。ただし技術開発(パラメータ設計)は規格を意識しないのでβ^2/σ^2等のSN比で感度とバラツキの最適設計を行います。

関連BLOG: 品質は「分散」と「平均値」の合わせ技で決まります

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2024年7月11日木曜日

ショットブラストとショットピーニングの違い

 【珈琲ブレイ句】MIMや金属3D造形で頻繁に登場するアシスタント的工法があります。それは、ショットブラストとショットピーニングです。わかりやすく2つの違いを説明します。加工対象をMIMとMetal AMだけに絞り、ショットブラスト投射材はガラスビーズだけにしています。

《抽象的なフワっとした説明》

ガラスビーズ・ショットブラストは優しく表面を綺麗にする。ショットピーニングは乱暴に表面を強くする。

《具体的説明》

ガラスビーズ・ショットブラストは、空気流の差圧力を利用して、ガラスビーズをセラミックノズルから噴射させて、被加工物の表面のスケールを除去したり、表面あらさを向上させる工法です。空気圧は減圧することを薦めます。圧力が高いとMIMの表面あらさが逆に劣化します。またガラスビーズは割れて粉末化するので交換管理が必要です。調質鋼では、すこ~し硬度が高くなります。

ショットピーニングは、メカ的(空気加圧式、回転インペラー式)に、鋼球を高速に加速して被加工物の表面に当て、表面を改質するものです。表面は微小な凹凸になり圧縮応力が残り硬度や疲労強度が向上します。さらにヒートショック対策としても効果が期待されています。圧縮残留応力は材料力学的には有利ですが、片側だけに投射するとメチャクチャ「反り変形が発生」しますので実験計画法等によるピーニング条件の最適化は必要になります。

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