MIM成形で発生するグリーン体(成形体)以外の、スプルーとランナーを再生材として利用する方法(リサイクルあるいはリユース)についてポイントのみ箇条書きでまとめておく。
《再生材の利用法》リユース法:粉砕あるいは粒断してバージン(粉末、ペレット)に混合する。リサイクル法:バージン材と再生材を配合し混錬から作り直す。
《再生材配合比》一般的には再生材配合比は50%が主流。50%材の物性保持率は再生回数3回目からほぼ一定の90%に飽和する。
《焼結体密度》新材と再生材の焼結体密度は同等と考えてよい。
《再生材の流動性》流動性は新材より良くなる。低分子化。
《再生材の焼結収縮変動と対策》新材より焼結収縮率は小さくなる。そのためバインダー体積消失相当の樹脂を適量配合しチューニングする必要がある。
《管理特性》フィードストック密度、フィードストックの流動性、焼結体の収集率
【珈琲ブレイ句】MIM方案設計によって発生するスプルーとランナーの比率はMIMメーカーによって異なるので各社固有の再生材混合比率があると思われます。できるだけ再生材が在庫にならないように比率を決めるべきです。
一番現場で問題になるのは、焼結体の寸法不良です。バインダー消失(揮発)による寸法増加。さらに逆方向の、低分子化(流動性向上)に伴う成形体重量微増による寸法微増。これらの総効果による平均値のカタヨリが課題になります。
その課題を解決させる方法として田口メソッド・パラメータ設計が有効であると確信しています。具体的には、誤差因子を再生回数、制御因子に欠損部分の樹脂添加量、成形条件因子を含めた解析結果から、ロバスト性の高い最適な成形条件がわかり、樹脂添加量と収縮率の線形式を計算させることが可能です。