最終焼結密度を特性値としたパラメータ設計の論文を記録する。
《実験計画》粉末:SUS316L、OSPREY、d50=13.0μm、TD=5.0g/cc バインダー:PMMA,PEG,PW,SA(65,8,25,2vol%)脱脂:水脱脂+加熱脱脂(ウイッキング) 試験片:MPIF-50 パラメータ設計:直交表L27,制御因子8種
《結果》寄与率の高いものから、焼結温度:右肩上がり最大1360℃、昇温速度:上凸12℃/min、焼結時間:右肩上がり最大120min、冷却速度:上凸10℃/min、焼結密度:7.6g/cc
参考論文:Praveen Pachauri, Md. Hamiuddin "THE EFFECT OF SINTERING PROCESS PARAMETRS ON FINAL DENSITY OF SINTRED PARTS PRODUCED BY USING METAL INJECTION MOLDING (MIM)" Noida Insitute of Engineering and Technology, Greater Noida, AMU, Aligarh, India ,TRANSACTIONS OF PMAI, VOL. 43 (2), DECEMBER 2017
【珈琲ブレイ句】パラメータ設計の醍醐味は、水準の効果が上凸の非線形になった時です。この上凸(山)の頂上が最適水準なのです。この報告では焼結温度と冷却速度が上凸になっています。
本題ではないのですが、結果の一部を図示した「Contour Curve」がすばらしい(下図)。2因子を軸とした焼結密度の高低を山の高さ(地形図)として表現したものです。地図では左上と右下に丘の頂上があることがわかります。直交配列実験をしているので2因子の推定値で図示できるわけです、わかりやすくて素敵です。でも、2因子だと地形図として表現できるのですが、3因子だと四次元、4因子だと五次元空間になるので地形図は図示できません。そこで多次元空間を扱うパラメータ設計の登場となるわけです。