二峰混合の威力第二弾、スランプ変形に関する論文の結果のみ記録する。《粉末3種》「F」WA-AKT316L(2.5)平均粒径2.67μm、「M」WA-AT316-H(PF-5F)平均粒径4.46μm、「L」GA-316L平均粒径13.57μm、《実験の二峰混合粉末》F:L50%、M:L50%、L100%(比較用)、バインダー量31VOL%統一《脱脂焼結条件》1次脱脂:ヘプタン蒸気58℃×4H、二次脱脂:600℃×2H、焼結1350℃×2H、Ar 《結果(変形量)》L100%≒0.9mm>M:L50%≒0.4mm>F:L50%≒0.3mm
【珈琲ブレイ句】F:L50%が一番変形が少ないという結果であり納得です。ただ、すべてのフィードストックはバインダー量が31VOL%なので「L」ではバインダーが多め、「F」では少なめの可能性があるように感じます。でも、各CSL+2~5VOL%のバインダー量設計によるフィードストックで同じ実験をしても順位は変わらないでしょう(有意差は多少減る?)。また、配合比も50%だけでなくその中間に最適解があるように感じます。
《野面積み効果》二峰混合の威力は、微細粉末が大きな粉末を固定する接触点を多くできることです。これは、鶴ヶ城や浜松城の野面積み(のづらづみ)のように、大きな石と石の間にできた隙間に小さな石を詰めることで重力が分散され強度が高くなることと同じだと考えます。
参考文献:T. Osada, R, Sakurai, R. Hashikawa, F. Tsumori, H. Miura, K. Toda: “Deformation Control of Large Sized MIM Parts by Charging the Powder Size Distortion” Japan Society of Powder and Powder Metallurgy, Vol. 62, No.3 (2015) pp. 108-113